代表挨拶

事業が社会貢献に
直結している。
それがフルカイテンの
魅力です。

代表取締役 瀬川 直寛

起業のきっかけ

私は大学時代、天然ガスがどんな温度や圧力でどんな状態変化を起こすかを予測するモデル開発の研究をしていました。しかし、同級生たちの中には私が必死に理解していることをいとも簡単に理解できてしまう人たちがいて、学問の世界で自分がのし上がることはイメージできませんでした。

だから、私は学者の道ではなく就職を選びました。そして入社したのが外資系のIT企業でした。しかも技術部門ではなく営業部門を志願したのです。私が担当したお客様は大手通信事業者で、何億円もするシステム開発案件を提案していました。その後、何度かの転職ではスタートアップ企業を選び、35歳になるまでずっと企業向けのシステム開発に関わってきました。

しかし、会社員時代の私は、ずっとモヤモヤしたものを抱えていました。
それは「ウチの製品・サービスは本当にお客様の役に立っているのだろうか」というものです。「業務を効率化します」「生産性が向上します」「ダウンしないシステムです」と提案したところで、それが本当にどれぐらい喜ばれているのか、どれぐらい役に立っているのかが全然わからないし喜ばれている手応えもなかったのです。

起業を決心するきっかけになったエピソードがあります。当時の部下の誕生日にサプライズで会社の本人の席までバルーンギフトを届けました。本人が箱を開けると大きな風船がオフィスの宙を舞い、他部署の社員たちも含めてみんなが大爆笑していました。

そんな笑顔を眺めていた時にハッとしました。「これまで自分がしてきた仕事は、この風船ぐらいお客様を笑顔にしたことがあるのだろうか。そこに自信を持てない仕事に自分の時間を費やしていて良いのか。もう35歳なのにこんな生き方をしていて良いのか。」と。これまでの私の仕事は、バルーンギフトに負けていたのです。

私の起業はこれがきっかけでした。何をするかも決まっていない状態で、自分の人生の方向性を「お客様を笑顔にできる仕事で生きていく」とだけ決めて起業したのです。
社名はハモンズ株式会社にしました。ロゴは起業のきっかけとなった風船をモチーフにしていました。社名には笑顔が波紋のように広がるようにとの想いを込めました。

FULL KAITENの誕生

何をするか決めないままでの起業でしたが、最終的にベビー服のEC事業に参入しました。
しかし、EC事業はいばらの道で、売上はグングン伸びましたが在庫問題が原因で倒産の危機を3度も経験しました。
資金繰りに窮して生きた心地がせず本当に苦しかったですが、苦しい時ほどレビューを読みお客様が喜んでいる声に励ましてもらっていました。
融資をめぐって金融機関から審査を受けた時、審査担当者の「社長、会社を作って良かったですか?」という質問への回答中に号泣したのも「お客様に喜んで欲しくて起業したし、自分の人生をそこにコミットさせたくて起業したから、実際にこうして喜んでもらえているレビューを見ると嬉しくなる。こんなに喜んでいるお客様がいるのだから、会社を潰してなるものか。絶対に諦めない」という複雑な思いが交差したからです。

FULL KAITENは、この3度の倒産危機を乗り越える過程で生まれました。
大学で研究のためにあれだけ勉強したAIや統計の知識が、業界の常識とは全然違う在庫分析手法の開発に繋がったのです。

私はその後、2017年2月にFULL KAITENを事業化することを決めました。そして2018年9月にベビー服事業を売却し、同月に社名をフルカイテン株式会社に変更しました。
人生は不思議なもので、大学時代の予測モデル研究、IT業界での企業向けシステム開発の10年以上の経験、ベビー服事業での6年半の小売経験、これらの点が全て繋がってFULL KAITEN事業は生まれました。

FULL KAITEN事業をスタートした頃の私は「在庫で悩んでいない経営者なんていない。だから在庫問題を解決して経営者を笑顔にするのがミッションだ。」と考えていました。
ある日の営業で、その企業の取締役の方と話した時、「瀬川さん、FULL KAITENが広まって多くの企業の在庫問題が解決されれば地球にとって良いよね。製品を作るのに使われる資源、廃棄するのに使われる資源、原価を抑えるために劣悪な環境での仕事を強いられる労働問題、気候変動など色んな課題の解決に繋がっていくんじゃないかな。」と言われたのです。
この商談が私の視座を上げてくれました。

未来へつなぐ事業

今弊社は「世界の大量廃棄問題を解決する」というミッションを掲げています。
FULL KAITEN事業は「最少の在庫で売上・粗利・キャッシュフローを最大化する」という価値を企業に提供しますが、それは大量生産しなくても企業の成長は可能だということを世界中の企業に知って頂き、本当に必要な製品が必要な量だけ流通する社会への扉を開くことでミッションを実現したいと考えているからです。

FULL KAITENに関わることは、子供や孫の世代により良い地球を残すことに繋がります。
社員として働くことも、導入企業として利用することも、最終的に「世界の大量廃棄問題の解決」に繋がり、それは資源や気候変動など現在の地球が抱える課題の解決に繋がるからです。

自分が仕事で使う時間が子供や孫の世代により良い地球を残すことに繋がるのは素敵なことだと思いませんか?

フルカイテンで働く社員、FULL KAITENを利用する企業を増やすことで、一人でも多くの人を巻き込んで子供や孫の世代により良い地球を残すこと。

社員のみんなの働きが社会問題の解決に繋がることをダイレクトに感じられる会社にすること。

これが私が社長として行いたいことです。

Side View「瀬川の素顔」

フル回転な経歴

1976年、奈良県生まれ。慶應義塾大学理工学部機械工学科卒業。研究テーマは天然ガスの熱力学性質に関するAIによる予測。
新卒入社したコンパックコンピュータ(現ヒューレットパッカード)では営業配属後すぐに6億4000万円を売上げるなど、トップセールスを記録。次の転職先では基盤が何もない状態から3年で年商15億円の事業を創り出し、大手メディアに取り上げられる。3社目では営業10人体制の中、1人で全社売上の9割を稼ぐなど、スタートアップ4社で抜群の営業成績を残す。
2012年にEC事業を手がけるハモンズ(現フルカイテン)を起業。順調に成長したが、売上拡大を狙った仕入れ拡大、セール、送料無料化、客離れという小売業に典型的な負のスパイラルに陥り、大量の在庫を抱える。3度にわたり倒産しかけたが、危機を乗り越える過程で在庫問題を解決する『FULL KAITEN』を開発。在庫回転率が17回転を超える。18年にはEC事業を売却して社名をフルカイテンに変更し、FULL KAITEN事業に経営を集中させている。既婚、2児の父でもある。

フル回転な趣味

自宅屋上にDIYでキャンプ場を作ったほどのキャンプフリーク。真冬以外は家族で毎月色んなキャンプに出かけては焚き火とテント泊を楽しんでいるが、ソロキャンプだけは家族がいない寂しさに耐えきれず出発直前で「やっぱりやめとくわ、俺家におらな寂しいやろ?」とダサい断念の仕方を見せたとの噂も。サッカーはもはや趣味の域を超えており、社内会議の途中で出す例え話はほぼサッカーの話なので、サッカーを知らない社員と知っている社員で理解に差がつくというクレームがあったとかなかったとか。

スベりもフル回転

関西人らしく、ボケる(ギャグを言う)のが大好き。ウケなくても気にせずボケ続ける。
本人いわく「単にボケるのが好き。職場に笑いがある方がいいやん」とのこと。
このため、社員の間には「笑わないといけない」という忖度は存在しない。
IT企業でばかり働いてきたが、実はチャット文化があまり好きではない。
さまざまな意思疎通、情報共有ツールが発達しているからこそ、「コミュニケーション全てがチャットに落とし込まれるのは良くない」と危機感を抱いている。

誰とでもフル回転

相手によって態度が変わらない。お客様に対しても、違うことは「違う」とはっきり言うし、本当に相手のためになると思ったら耳に痛いことも遠慮なく言ってしまう。
そうした姿勢は服装にも表れており、徹底的にカジュアルで通している。あるとき、弊社に不手際があってお客様に迷惑がかかり、謝罪に行ったことがあった。その際も「謝る時だけちょっといい服装にするような中途半端なことはしない」と、普段と同じカジュアルシャツにチノパン、スニーカーを着用した。ちなみにこのお客様には誠心誠意謝罪し、事なきを得た。
直球しか投げられない不器用なタイプかもしれないが、とにかく実直に正面からぶつかるので、様々な企業の会長や社長そして業界の有識者から不思議なぐらい可愛がられていたり、ヒエラルキーらしいヒエラルキーがほとんど感じられないフラットな社風が生まれたりしている。

MOVIE|CEO瀬川ってどんな人?